熱機械分析(TMA)とは?
2021.09.09

熱機械分析装置(TMA)は、温度を一定のプログラムによって変化または保持させながら、任意の荷重の下で温度または時間の関数として固体・液体・ペースト材料等の寸法変化を測定する方法になり、熱膨張(線膨張係数、平均線膨張係数)に加えて相転移温度、焼結温度、軟化点などを測定することができます。
TMAは加熱炉、検出棒(プローブ)、変位検出器(差動トランス)から構成されており、検出棒を介して荷重を加えながら、加熱炉で試料温度を変化させたときの寸法変化を変位検出器(差動トランス)で検出します。
TMAには、検出棒が1本の全膨張方式と検出棒が2本の示差膨張方式があり、試料形状によって圧縮・針入・引張・曲げなどの試料ホルダーを選択して様々な測定をすることが可能です。

測定できるサンプル
- プラスチック、ゴム、樹脂(PE、PP、PET、PC、PVAL等)、有機物、セラミックス、ガラス、複合材料(CFRP、GFRP)、金属、建材などといった固体サンプル
- 鉱物や無機物などといった粉体サンプル
- 繊維やテキスタイル
- ペースト、クリーム、ゲルといった粘性サンプル
- 液体サンプル
測定でわかること
- 平均線膨張係数
- 熱膨張率・線膨張係数 (CTE)
- 相転移温度
- ガラス転移温度
- 焼結温度
- 収縮ステップ
- 軟化点
- 体積膨張
- 密度変化
- 層間剥離
- 分解温度
- 焼結速度
主な測定モード
- 圧縮測定モード
主にバルク状の固体サンプルに圧縮荷重を加え、熱膨張等を測定する手法 - 針入測定モード
先端が針状になった検出棒(プローブ)でバルク状の固体サンプルに圧縮荷重を加え、軟化点を測定する手法 - 引張測定モード
フィルムもしくは繊維状のサンプルに引張荷重を加え、熱膨張および熱収縮等を測定する手法