発生ガス分析(EGA/TG-MS/TG-IR)とは?
2021.09.09

発生ガス分析(EGA)は、熱天秤(TG)と質量分析計(MS)やフーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)といった装置と接続することで、TGで試料加熱時に発生したガス成分を分析するシステムです。
TG部で発生したガスはガスフローに従い、キャピラリーを通してGCMSやFT-IRといった検出部に導入されます。特にGCMSは高真空下で測定するのに対して、TG-MSでは差圧によってガスを導入します。上皿天秤方式のTGでは発生ガスの方向とガスフローの方向が同じため、発生ガスの希釈の度合いが小さく、高感度な発生ガス分析が可能です。
TGの測定だけでは重量減少時にどのようなガス成分が発生しているかを推定することは困難ですが、MS、GCMS、FT-IRといった装置と組み合わせることで発生ガスを推定することができ、より詳細な知見を得ることができます。

測定でわかること
- 樹脂(PE、PP、PETなど)やゴムといった材料の劣化評価
- 樹脂中に含まれる添加剤の脱離挙動
- セラミックスの脱脂工程におけるバインダの脱離挙動
- 電池材料(正極材・負極材)のコンタミ評価
- 医薬品に含まれる水および残溶媒評価
- 触媒による発生ガス挙動の評価 など
主なカップリング
- 質量分析計(MS)
各社QMS、TOF-MSなどとカップリング可能 - フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)
Bruker社製FT-IRとカップリング可能 - ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)
NETZSCH Japan社製クライオトラップシステム